横琴ボーダー(口岸)でのできごと  珠海空港=マカオ直通バス

ほんと参りました。
中国には慣れているつもりだけど、いやいや、やってくれます、中国人は。

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今年の9月頃、久しぶりに珠海空港を使ったら、劇的にきれいになっていた。
しかも小じんまりとしていて、とても使いやすい。

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珠海空港からマカオ市街地の直通バス

珠海空港からマカオ市街地に行くには、横琴ボーダー(口岸)経由の直通バスがある。
行き先は、英皇酒店またはCOD。
値段は100人民元。
ちなみに、拱北(ゴンベイ)口岸までのバスは25元。

時刻表は下のとおり。

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便利なので一応はお勧めと言えるけど、油断すると今回の僕のようにひどい目にあうので注意。
今回、横琴ボーダーの駐車場で置いてけぼりにされた。


下の写真のカウンターでチケットを買う。
午前11時の便が満席だったので、11時20分発になった。11時20分発のバスは時刻表には載っていないけど、人が集まると適宜臨時バス(もしくは乗合乗用車)が出ているよう。

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待合所でバスを待っていると、まだ11時20分になっていないのに、さっきチケット売り場にいた赤い制服のお姉さんがやってきて、下の写真の車に乗れと指示された。
4人連れの客がいたので、一人客の僕を合わせて5人にして、臨時にこの車を出そうということらしい。
指示に従って、乗車。
運転手は50代の男性。

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同じ車に乗り合わせた4人組は、マカオでよく見かける典型的な大陸系賭博客。
バカラでカードの隅を持ち上げて大声をあげているタイプの連中だ。車の中でも大騒ぎ。

この時点でいやな予感はしたのだけど、この予感はその後に当たってしまう。


横琴口岸

横琴口岸(ボーダー)を使うのは初めて。
横琴新区は開発工事の真っ最中で、未舗装の道路を大型工事車両がたくさん走っている。

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横琴口岸は、そんな未舗装道路を抜けた先にある。
周りには市街地もなく、まだ辺鄙な場所という印象。

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空港のチケット売り場のお姉さんは、拱北(ゴンベイ)は込んでいるので横琴を抜けるのだと言っていた。しかし、その横琴口岸も、今は通過客が多くなり結構込んでいる。
ボーダーの建物は入場制限をしていて、同乗の4人は、下の行列を目にした時点で、すでに運転手に対して文句タラタラだった。

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ちなみに、横琴のボーダーは、下の写真のような仕組みになっている。
左がメインランド、右がマカオ。

横琴

メインランドから来た客は、橋の手前で出境手続をする。橋は歩いて渡ることはできないので、両ボーダー間には乗合バスが走っている。橋をわたってからマカオ側のボーダーで入境手続をする。

今回のようにダブルナンバーの自動車で抜ける場合は、橋の手前で車から降りて出境手続をして、車に乗って橋を越え、マカオ側ボーダーで再び車を降りて入境手続をする。ボーダーを抜けたらまた車に戻って市街地まで運んでもらう。
自動車と運転手は、自動車用のゲートで出入境する。


置いてゆかれた

今回どういう目に遭ったかと言うと、横琴側のボーダーを抜けた後、駐車場に行ってみたが車はいなかった、という事態。

先ほどの写真のとおり、この日、横琴のボーダーは大変な混雑だった。
40分ほどの間、横入り、追い越しの中国人と無言の戦いを経て、出境手続を終えて車が待っているはずの駐車場に行ってみたら、車はいなかった。

もしかして、一旦ほかの4人をマカオ側のボーダー入口まで送ってから再度迎えに来てくれるのかもと思い、20分ほど待ってみたが、車は現れない。
中国でもマカオでもない場所に放り出されてしまった。
この時点で、もやは打つ手なしの状態。

が、しかし、そういえば・・・珠海空港のバスターミナルで、何気なしに、空港バスのパンフレットをカバンに入れていた!
パンフレットを見ると、ちゃんと会社の電話番号が書いてある。
中国携帯で電話をしてみると、若い女性が出た。事情を説明すると、「あなたが遅いから行ってしまったのでしょう」とのこと。「普通に並んで通過しただけだ」とやや怒り気味に反論すると、「現地の係員に連絡を取るので、そのままそこで待つように」とのこと。

電話を切って、待つこと数分。
赤い制服の若い女の子が近寄ってきて、「会社に電話したのはあなたですか?」と声をかけてきた。
彼女いわく、
「ほかの4人客が先に車に着いて、早く出せと騒いだので、行ってしまったのでしょう」
とのこと。
そんなばかな・・・
確かに、あの4人組の雰囲気からして、早く出せと大騒ぎした様子は何となく想像できる。しかし、それで置いて行かれた1名は、どうしたらいいのだ。

しかも、現地に係員がいるのなら、その係員に僕をアテンドするよう引き継いでおくこともできるではないか。そのような配慮も一切なく、まるで残りの1名は存在しないかのように、ただ行ってしまったわけ。あほか、あの運転手は。
こちらは事態が把握できず、置き去りにされたと判断できるまでにすでに20分を要したのだ。

現地係員の女の子いわく、
「マカオ側のボーダーまでは乗合バスに無料で乗せてもらい、ボーダーを越えたらホテルのシャトルバスに乗って都心に向かってください、そうすれば、あなたは余分な出費をしなくてすむから。」
なんだそれは、と思ったが、この女の子に怒っても埒が明かないし、何度も「本当にすみません」と謝ってくれたし、可愛い娘にこれ以上困った顔をさせるのも忍びないので、この提案を呑んで、ボーダー間路線バスに案内してもらい、一人でマカオに向かった。

マカオ側のボーダーを出ると小さな駐車場があり、CODやら何やらのシャトルバスが数台止まっていた。僕の目的地付近に行くバスはなさそうだったので、結局、普通の路線バスに数HKDを払って乗り、マカオ市街地へ。

こんなことなら、最初からゴンベイ経由で来ればよかった。
まあ、ブログのネタができたからよしとするか。


金を返してもらわねば

それにしても、何といういい加減な対応だろうか。
このまま収めてしまっては、日本人として情けない。
で、再度、バス会社に電話。
先ほどとは違う女の子が電話に出たので、再度、経緯を説明。
当方の最低限の要求は料金の全額返還である旨を伝える。
経理(マネージャー)に報告して指示を仰ぎます、というので、待つこと十数分、先ほどの女の子から電話があり、料金の半額を返還するとのこと。
横琴までは運んだから、という理由らしい。
冗談止めてくれ。

納得いかないと言うと、それならば上司と話してくれと携帯の番号を教えられたので、上司に電話。
あいかわず、「横琴までは運んだ」、などとふざけたことを言っている。
話すこと15分。

外国人旅行者を土地勘のない場所に置いて行ってしまうこと自体もとんでもないが、更に現地係員への引き継ぎという最低限の配慮もなかった、と言うと、
「じゃあどうして現地係員がアテンドにでたの?」
「それはこっちが会社に電話したので、会社から連絡したんでしょう」
「あなたから電話したの?」
「だからそういってるでしょ」
上司には状況が伝わっていなかったよう。
ちゃんと報告しておいてよ。

現地に係員がいることも、こちらは知らなかった。だから、もし僕が珠海空港で何気なくパンフレットを手に取っていなかったら、または、僕が中国語を話せなかったら、会社側は客が途中で放り出されていることも把握できなかったはずだ。

「横琴までは運んだと貴方は言うが、そんなものは最初から何もしないよりもなお悪い」
とややキレ気味に言うと、ようやく、
「こちらの落ち度なので、上司の了解をとって全額返還します」
とのこと。
あたりまえでしょ。

結局、珠海コンベイにある営業所で、料金全額の100元を返してもらうことになった。
何とか、最低限の筋だけは通すことができた。


どうしてこういうことが起こるのか

それにしても、あの運転手、外国人旅行者を一人であんな場所に置き去りにしたら、その人がどういう困難に直面するか想像することはできないのだろうか。
この種のことは、中国にいると実は結構ある。

思うに、彼らの頭の中には、
「何らかの原因からは、何らかの結果が生ずる」
という因果律的思考パターンがないのではなかろうか。

件の運転手も、悪意でやっているわけではないのだろう。仕事など適当にやっておけばよいと考えているわけでもない。そういうことよりも、おそらく、能力的な問題なのだと思う。
要は、『原因はその後に結果を伴う』、ということを感じる能力を欠いているのだ。

こういう頭脳の仕組みはホモサピエンスならば普通に持っているように思われるが、実はそういうものではなく、幼少からの教育によって後天的に習得されるものなのかも知れない。
子供のころから義務教育で様々な教科を勉強させられ、その後に学習内容そのものは大方忘れてしまったとしても、そこで体験した因果律的思考や論理的思考は、思考の仕組みとして頭の中に残るのではないだろうか。そのようにして体得された知的能力は、その人の人格の基礎にもなるはずだ。
そいういう教育を受けてこなかった層が、中国には相当数いる。

中国や中国人に愛着のある僕としてはあまり言いたくないのだけれど、この国の基礎的民度は、まだまだ顕著に低いところにあると思う。

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