買春で6か月の収容教育に処せられたケース

東莞市の清渓鎮で、買春をした男性が6か月の収容教育に処せられたというニュースがあった。

东莞男子嫖娼未及时交罚款被收容半年 (21CN新聞)

今年の5月24日午後、清渓鎮の宏信假日酒店のサウナで買春をした王氏。
ことの最中に警察に踏み込まれ、身柄を拘束された。
王氏の相手をした女性は、18歳未満の未成年だった。

連絡を受けた妻が、翌朝8時ころ、罰金5000元を持参して警察に行ったところ、すでに収容教育6か月の処分が決定しており、夫の身柄は大朗鎮の看守所に収容されたあとだった。


収容教育6か月の根拠

警察がこの処分の根拠とした法令は、
買売春の禁止に関する決定」(1991年制定)

買売春者収容教育弁法」(1993年公布)

「買売春の禁止に関する決定」は、
買売春をした者は、「治安管理処罰条例」第30条の規定によって処罰する
と規定したうえで、さらに、
6か月から2年の法律道徳教育と労働により悪習を改めさせることができる
と規定している(第四条)。

また、「収容教育弁法」は、
買売春をした者は治安管理処罰条例第30条の規定により処罰する
と規定した上で、さらに、
公安機関が収容教育の決定をすることができる(第7条)。
と規定している。


(なお、上の2つの規定で言及されている「治安管理処罰条例」は、2005年に新しく「治安管理処罰」が制定されたときに、廃止された。
廃止前の「条例」第30条は、
買売春をした者は15日以下の拘留、警告、反省文提出命令に処するか、または、規定に従い労働教育処分に処する。5000元以下の罰金を併科することができる
という内容だった。)



妻側の反論

王氏の妻は、6か月の収容教育処分はあまりに重過ぎるとして、上級の公安局に不服申立をした。
その主張は、概略、次のとおり。

警察は、適用すべき法令を間違っている。
2005年に「治安管理処罰法」が制定されたことにより「治安管理処罰条例」は廃止され、それと同時に「収容教育弁法」と「買売春の禁止に関する決定」も失効した。

したがって、王氏の処分は、現行の「治安管理処罰法」のみによるべきである。
同法第66条には、
買売春をした者は、10日以上15日以下の拘留に処し、あわせて5000元以下の罰金を科すことができる。罪状の軽いものは、5日以下の拘留または500元以下の罰金に処する
と、規定されている。
収容教育に処することができるという規定はない。
よって、警察の処分は法令上の根拠がなく、違法である。

以上が、妻側の言い分。


警察の説明

この件について、清渓鎮の警察は、
「収容教育弁法」と「買売春の禁止に関する決定」の2つの規定は今も有効
と説明している。

また、警察は、王氏を重く処分した理由として、
相手の女性が18歳未満の未成年であったことに鑑み、収容教育処分とした
と説明している。



感想・・・

ちなみに、こういう処分は、刑事罰ではなくて行政処分なので、裁判所の関与なしに、警察だけで決定できる。日本で言えば、交通違反の反則キップを切るようなものである。
だからこそ、サウナで拘束された翌朝に6か月の収容処分が決定して看守所に送られる、という問答無用のスピード決着になってしまうわけ。

警察の胸三寸でどうでにもなる恐ろしさがある。

現在、不服申立中なので、最終的にどのような結論が出るのかはわからないけれど、少なくとも、東莞市内の警察で、このような取扱いが実際に行われていることは、知っておいてもよいかと。


まあ、知っていたからと言って、どうにかなるものでもないのですが・・・


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