鶏は愛すべきもの

その1

中国に着任した頃、先輩駐在員から、
「中国では、深夜に女の子を帰すときは、ロビーまでおくっていけ」
と教えられた。

中国のホテルでは、深夜に水商売風の若い女性が一人で客室から出てくると、ロビーの警備員に制止されることがある。何号室から出てきたか聞き出して、ロビーから客室に内線電話をかけ、
「この娘をこのまま返してよいか?」
と尋ねる。
客が寝入った隙に女の子が窃盗を働くのを防止するためにやっていること。
ホテルマンもプロなので、見ていないようでちゃんと見ている。

珠海蓮花路の4つ星ホテルでも、深夜にドアマンに捕まっている女の子を見かけたことがある。何号室から出てきたか聞かれて、
「えーと、○○○号室。日本人だった。」
と答えていた。余計なこと言うなっつーの。

こういう無粋な手間をかけるのはホテルに対して申し訳ないし、女の子もさらし者になって可哀想なので、前述の「深夜に帰すときはロビーまでおくっていけ」というアドバイスができあがったものと思われる。最近はノービザで気軽に中国に滞在する人が多いので、こういう先輩・後輩の伝承もなくなっているようですね。

常平の場合、連れ込み客が多すぎるせいか、こういう手の込んだ対応をしているホテルはないようだけど、僕は一応ホテルのロビーまでおくっている。
昔からそうしていたし、どうせなら女の子にも気分よく帰ってもらったほうがよいわけなので。
下までおくると言って嫌な顔をする娘はいないし、「いいよ、いいよ」と言う娘でも、実際におくってあげるとそれなりに愛想笑いくらいはしてくれます。


その2

先日部屋にきてもらった娘は、平日は郊外の台湾系の会社で事務員として働き、週末だけバスに30分乗って都心にやってきてアルバイトをしているとのことだった。日本の援助交際娘のような軽い気持ちでやっている感じ。最近は、こういう娘も多いですね。

帰り際に「チップちょうだい」というので財布をみたら、十元札が一枚と、あとは百元札しかない。チップで百元は多すぎなので、十元札一枚を差し出したら、少ないと文句を言われた。

こまかいの、ないから、というと、
「その赤いの(注:百元札)でいい」
と食い下がる。
断ったら、
「十元札なんて乞食にやるお金でしょ!」
などと言って、一歩も引かない。

そんな攻防をしばし繰り返した後、彼女はようやくあきらめてくれた。
すなわち、
「けち!」
と言い捨てて、ひとりでバスルームに行ってしまった。
と思ったら、ホテル備え付けのクシを手にして戻ってきた。
まだ怒っている表情で、
「髪、とかしてよ」
と、目の前にクシを突きつけられた。
「チップくれないなら、そのくらいしないさいよ!」
とのこと。このまま引き下がってなるものか、と思ったのでしょう。
可愛すぎて悶絶しそうです。

というわけなので、鶏は愛すべきものだなぁ、としみじみ思ったわけです。なんだか内容のない文章で申し訳ないです。


 
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