上海の風俗を散策 (安風俗編)

上海の郊外、嘉定区の風俗を散策してきました。
風俗産業に対する昨年来の取り締まりの影響は上海にも及んでいて、街なかの安風俗はかなり潰されていますが、この郊外の置屋は普通に営業していました。

地下鉄の駅から地上にあがると、新しいマンションが並ぶ新興住宅地が広がっていました。その立派なマンション群から道路一本隔てたところに、コンクリートの塀で周囲をぐるりと囲まれた古い集落が残っています。
塀は高さ2mほどある本格的なもので、門は2か所のみ。そのうちの一つを通って集落に入ると、経済発展する前の上海にタイムスリップしたような光景が広がりました。

shfz.jpg

住宅はモルタル塗りの簡素な造りで、「農民房」と呼ばれるタイプの住宅です。外壁は汚れています。老朽化し、打ち捨てられたような雰囲気です。集落全体の戸数は300戸くらいでしょうか。各住戸の前には生活用品が乱雑に放り出してあります。

この集落全体が風俗街というわけでは勿論ありません。
ほとんどの家屋は一般の住戸です。路地で子供が遊んでいます。自家消費用と思われる大きなニワトリが、放し飼いされ、路地を走り回っています。
一見すると地方からの出稼者が集まったスラムのようですが、住民同士が交わす言葉は上海語。つまり、住民はおおむね上海人のようです。

風俗街はこの集落の北側の端にまとまっています。十数件の民家が置屋として使われていて、扉の前に呼び込みのオバサンまたはオヤジが立っています。

この状況を見て思ったのですが、ここは多分いわゆる「城中村」です。「城中村」というのは「都市の中の農村」という意味の中国語です。

城中村について少し説明します。
中国では、都市と農村とでは土地の所有形態が違います。都市の土地は国有ですが、農村の土地は国有ではなく、その村の農民らが集団的に所有しています(集体所有制)。

ここ数十年来、中国の各都市では都市を拡大するために近郊農民が所有する土地を接収し、国有地への切り替えをおこなってきました。
田んぼや畑は比較的容易に接収が進みました。しかし、農民の家が建っている集落部分は、立ち退きが進まず、接収しきれない土地があちらこちらに残りました。

接収できなかった農民の集落が、上海、北京、深センなどの大都市には、たくさん残っています。国有地の中に、ぽつぽつと、斑点のように農民の土地が残っているのです。
このような土地を「都市の中の農村」、つまり「城中村」と呼びます。「城中村」では、国有地と違って、政府による土地利用計画の承認なしに建物が建てられてしまうため、居住環境は一般に劣悪であり、中国の社会問題の一つになっています。

中国の大都市にある風俗街・置屋街には、この「城中村」に立地しているものが少なくありません。
典型的なのは深センの向西村や沙嘴村。この2つの城中村は、深センという大都市の都心に位置しているため、農地を失った元農民らは住居を多層階のアパートに立て直し、賃貸住宅経営によって生計の途を確保することに成功しました。
やがて沙嘴村の元農民らはさらに高い賃料収入を求めて、物件をKTVや置屋などの風俗産業に貸し出すようになり、その結果、世界的に有名な売春村ができあがったわけです。

今回訪ねた上海の城中村は昔の農村の風情のままで、華やかさは全くありませんが、村内に十数件の置屋の設置を許容することで、集落としてなにがしかの利益を得ているのだろうと思います。

呼び込みの声に誘われるままに、置屋を何件かのぞいてみました。
春節を前にすでに帰郷した女の子も多く、一部はすでに臨時閉店中でした。それぞれの店に2~4人の女の子がいました。入り口を入ったすぐの部屋に待機しています。奥にはベッドを備えた小部屋が用意されています。シャワーなどの設備はありません。

年齢はおおむね若く、四川省や安徽省から来ている娘が多かったです。値段を尋ねると、100元が基本で、「吹」が入ると130元。
150元で「不戴套」がOKだという娘がいたので、「薬を飲んでいるの?」と尋ねたら、水で洗っているとのこと。

ところで、田舎の農村から大都市に来て風俗業に従事している女の子は、緊張した面持ちの娘が少なくないです。しかしここの女の子らは、ずいぶん自然体で、リラックスしているように見えます。
思うに、この風俗街が城中村にあることが、彼女らの緊張を少しでも緩和する効果があるのではないかと・・・
ここは上海とはいえ、都会のビルの中の置屋ではなく、見慣れた農村風の家が立ち並ぶなか、路地には鶏が走り回り、住民は十数年前まで現役で畑を耕していた農民たち。
そんなことが農家の娘である彼女らの心理の安定に寄与しているのかなぁ、などと想像してみました。

関連記事
ベトネベートスカルプ