中国北京でiPhone6が販売禁止か - 知的財産権侵害との理由で

これは珍事件というべきでしょうか。

北京の知識産権局(日本の特許庁に相当)は、iPhone6とiPhone6 Plusのデザインが中国企業が所有する知的財産権を侵害しているとして、販売禁止(販売差し止め)命令を出しました。
これに対してApple側は、直ちに北京高等裁判所に不服申立てをおこないました。
裁判所の判断がでるまで販売差し止めは保留になるため、今のところ中国内でのiPhone6の販売はおこなわれています。

北京でiPhone6販売停止命令 現地企業の訴え認める (日経ウェブ版)

Appleが侵害したとされている権利は、深圳市の「深圳佰利営銷服務有限公司」が所有する意匠権(中国語:外観設計専利)です。現地の報道によると、この意匠権が登録されたのは2014年7月。iPhone6が米国で発表されたのは2014年9月です。
したがって、中国で時々みられる悪質なケース、つまり他人の製品デザインを見てから、それを自分のデザインとして悪意で登録した、というわけではなさそうです。

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これが、中国企業が意匠権を登録したデザインの画像です。

100c-designright2.jpg

似てるって言えば似てるかもしれませんが・・・

しかし、スマホって概ねこんなものじゃなかろうか。

ちなみに、iPhone6はこちら。

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中国知識産権局の説明によると、

比較してみると、両者の間にはある程度の違いが見られる。しかし、一般の消費者が気づくことが難しい微小な違いである。よって、両者の間には明確な区別がないと認定すべきである。

とのこと。

中国国内でも、この知識産権局の判断に対しては懐疑的な見方のほうが強いようです。中国のマスコミも半信半疑です。中国にしてはずいぶん冷静というか、公正な態度が大勢を占めているもようです。

権利を侵害されたと主張している深圳佰利営銷服務有限公司は、広東省深圳市に登記された会社です。法人登記の要旨はネットで検索できます。設立は2012年6月、登録資本金は2000万元(約3億2千万円)とのこと。

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佰利営銷服務有限公司の出資者は、深圳市百分之百数码科技有限公司という会社になっています。2006年に設立されたこの会社の所在地は、深圳佰利営銷服務有限公司と同じビルの同じフロアです。

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入居しているビルは、外観を見る限りは立派なビルです。深圳市のメインロードである深南大道に近接しています。

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親会社である百分之百数码科技有限公司は、意匠権登録された名称と同じ商品名の「100C」というスマートフォンを2014年4月に発売しています。子会社名義で意匠権を申請したうえで、親会社が製造販売したということのようです。

こういう経緯から見る限り、Appleの営業活動を妨害する意図で意匠権登録をした、ということではなさそうです。意匠権の登録自体は、普通の正規の営業活動の一環だったのでしょう。

その後、発売されたiPhone6のデザインが自社が登録したデザインに酷似していたので法的手段をとったということですが、似ている似ていないは主観の問題なので、彼らは「似ている」と感じたのでしょう。
さらにもしかしたら、「Appeleから金を取れるかも、ラッキー」なんて考えたのかも知れません。

Youtubeに、その「100C」(100+ V6と同じ機種になります)の実機の製品レビューがありました。



この実機に関しては、普通の平凡なAndroidスマホのデザインに見えます。iPhone6やiPhone6 Plusと特別似ているようには見えません。

しかし、意匠権侵害の判断はあくまで「登録されたデザイン」との比較でおこなうものであって、実機との比較で判断するわけではないので、実機とiPhone6があまり似ていないことは、差し止め命令の当否とは関係ありません。

裁判所の判断はどうなるんだろう?
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