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上海のあの置屋の街が、ついに取り締まりの対象に。

予告したとおり、年末に上海に行ってまいりました。
今の上海は、地下鉄が網の目のように走り、以前は「僻地」とみなされていた嘉定区や青浦区などの郊外にも高層マンションが立ち並び、もう僕が知っている上海ではないです。東京の数十年分を数年で突っ走った街ですね。

今回のご報告のひとつめは、北の聖地と呼ばれる置屋街「老三隊」の訪問記です。
地下鉄13号線の丰庄駅の目の前にあるこの置屋街は、上海で最大級の風俗街として知られてきました。
ここ数年は大幅に規模が小さくなりましたが、それでもわざわざ嘉定区まで出かけていく人が多かったのは、値段が安く、そして質が高かったからです。

こちらは、昨年撮影の現場写真。

shanghai-laosan.jpg

質に関しては、ひとことでいうと「若い」です。
いつ行っても、半数以上は10代です。
そして、かわいい。

今回も、上海に到着した当日の夜に、さっそく訪問してみました。
地下鉄の駅を出て、目の前の白壁にそって、集落の入り口ゲートを目指します。

しかし、どうも様子がおかしい。

集落入口前の路上に停車している車のルーフで、赤と青の光が、ちらちらしています。
運転席には若い警官が退屈そうに座っています。
そして、集落のゲートはロックされています。鍵を持っている住民しか、ゲートを通れないようです。

横の高架橋に上がり、塀越しに集落をのぞき込むと、置き屋が並んでいた一番手前の長屋は、扉がとざされ、電気もついていません。
うーん、これは・・・

入口の前をうろうろしていたら、バイクタクシーのオッサンが近寄ってきました。

「老三隊はとっくになくなったよ。130元でできる安全なところに連れて行ってやる」

「いつなくなったの?」

「1、2か月前」

そうかー、ついになくなったか。
地下鉄の開通がもたらした都市化の波が、中国の伝統的スタイルの置屋街を押し流したようです。
いまだに僕のようにふらふらやってくるバカモノが多いらしく、威嚇のために毎晩パトカーが常駐しているもようです。

あきらめて帰ろうと駅に向かって歩くと、バイクタクシーのオッサンがしつこく追ってきます。
「130元。安全だよ。」
ホテルに戻っても暇だし、ついて行ってみるか・・・

バイクタクシーの後ろに乗って、寒い街を走ります。
工場街を抜けて、3kmほど走ったでしょうか。
「こんなに遠いの」
「もうすぐだ」
何度目かの「もうすぐ」のあと、バイクは古い民家が立ち並ぶ路地に入りました。

路地の奥の雑貨店に連れていかれます。カップ麺や菓子類などが並ぶ棚の間をとおり、奥の扉を入ると、小部屋がありました。狭いベッドに女の子が2人座っています。2人とも、妙に生気がありません。埃っぽい、疲れた表情をしています。楽しく遊べる雰囲気ではありません。

ここはやめとこう。
断って、建物を出て、歩き始めると、バイクタクシーの運転手が、

ほかにはないぞ。ここしかない。

と言って引き止めます。

面倒くさくなったので、自分で探すからもういい、と言ってオッサンを帰らせようとしたら、別のところに連れて行くから後ろに乗れと言います。

お前さっき、ほかにはないと言ったじゃないか、と思いましたが、それじゃあ試しにと思って後ろに乗ると、200mほど離れた建物の前でとまって、ドアをノック。

中から出てきたのは、いつかテレビで見た阿佐ヶ谷姉妹の片方にそっくりの、眼鏡をかけた中年のおばさんです。女の子を管理しているオババと思われます。
ドアの向こうには小部屋が2つあり、小さなベッドが部屋いっぱいに置いてあります。

とりあえず女の子の顔だけでも見てみようと思って、部屋に入りました。
と、先ほどの阿佐ヶ谷姉妹が、小さなポーチをもって、いそいそと部屋に入ってきます。あれ女の子は?と思う間もなく、ベッドに上がれと指示されます。

おいおい・・・

ちなみに「阿佐ヶ谷姉妹」とはこの2人。左側の人にそっくりでした。
sh-asagaya.png

脱出するにあたっては、
「サービスするから」
と繰り返す阿佐ヶ谷姉妹との間でひと悶着ありました。なんとか鍵を開けてもらって外に出ると、バイクタクシーのおっさんが待っていました。
おまえ、いい加減にせーよ。

まだ何やら声をかけてくるバイクのオッサンを無視し、ひとり歩きだします。
しばらく歩けば、タクシーが拾える道にでるでしょう。

しかし、おっさんは、シツコクついてきます。

「自分で探すからもういい」
と言ったのですが、
「駅まで載せて戻ってやるから乗れ」
と言いながら、ずーとついてきます。

「帰りの金は払わんぞ」
「俺もどうせ戻るからタダでいい」

それならいいかと、またバイクの後ろに乗りました。
バイクは来た道を戻ります。冷たい風の中を、数キロ走ります。こんな遠くまで連れてきやがって・・・

と、まもなく地下鉄の駅というところで、なぜか右に曲がらず、左に曲がりました。

「まだあるの?」
「ある」

オマエ、ほんといい加減にせーよ。
こんな近くにあるんじゃないか!

バイクは、駅の近くの団地のなかで止まりました。もとの老三隊、つまり僕が最初にこのバイクタクシーに乗った場所から徒歩2分程度のところです。
結局、もとに戻ってきたわけです。

エレベーターのない団地の階段を上がり、2階のドアをノックすると、赤い服を着た中年女性が現れました。見覚えのあるおばちゃんです。そう、老三隊の置屋で女の子を管理していたおばちゃんです。
やっと着きました。ここがまさに僕の目的地です。

おい、バイクタクのオヤジ、テメー、ふざけんな。なんで最初からここに連れてこない!
と言いたいところ、面倒くさいのでそこは省略して、部屋に入ります。

5階建て、3LDKの普通の集合住宅です。
お向かいや上下の住人は、ごく普通の中流サラリーマン家庭と想像されます。そいういう普通の集合住宅に部屋を借りて、老三隊から引っ越してきたようです。
老三隊の廃墟ともスラムとも表現可能なボロ家に比べると、比較にならないほど快適な新居といえるでしょう。

外観イメージはこんな感じです。

63d9f2d3572c11dfdd9b3e43632762d0f703c20c.jpg

そして内装のイメージはこんな感じです。

240x180c.jpg

見てお分かりのとおり、普通の住宅です。

ひとつ言えることは、女の子たちにとっては、今回の引っ越しによって生活環境・労働環境は劇的に、革命的に、向上しました。老三隊の冷暖房もない、浴室もなく鍋に沸かしたお湯で体をぴちゃぴちゃ洗うだけ、そのうえ雨漏りもひどいであろうボロ小屋から、一気に文明生活に移行したわけです。ここなら、仕事が終わったあと、熱いシャワーをたっぷり使えます。夜は大きなベッドでゆったり眠れます。
この労働条件、生活条件の向上によって、女の子の質の向上がもたらされれば、まさに「災い転じて福となす」的な展開だと思います。

リビングのソファに座って、おばちゃんと話します。女の子は3名いて、全員18歳。部屋が3つあり、ちょうど全員仕事中とのこと。
しばらく待つと、先客の男性がひとり帰っていきました。あとから部屋を出てきた女の子は、僕の好みの芋っぽいタイプ。四川省の農村からやってきたそうです。

オババが部屋に行けと言いますが、一応、ほかの女の子も見てみたいです。
「全員見てから決める」
と言ったら、オババはポケットからスマホを取り出して、ほかの2人の女の子の写真を見せてくれました。

「この娘がいい」
「じゃあ、もう少し待ちな」

しばらく待っていると、新しい客がやってきました。僕と同様に、バイクタクシーのオッサンに連れられて入ってきます。
新しい客は、さっき仕事を終えたばかりの女の子を選んで、先に部屋に入りました。

客が部屋に入ったあと、オババが小さくたたんだ紙幣を、バイクタクシーのニイチャンに渡すのが見えました。畳んであったのでよくわかりませんが、おそらく20元札が一枚と、あともう一枚、10元札か20元札があったように見えました。
なるほど、そういう仕組みなっているわけですね。

ちなみに、この新しい置屋の料金は、
ただするだけ:150元
サービス付き:200元
です。

以前の老三隊は、
ただするだけ:100元
サービス付き:130元
でしたから、かなりの値上げです。

オババに言わせると、「しょうがないんだよ。老三隊とここは違うんだから。」

その言い分は、わからないことはありません。
老三隊の朽ちた平屋の家賃はタダみたいなもの。一方こちらは、地下鉄駅から徒歩3分の3LDKの鉄筋コンクリートの団地です。築年数は20年くらいでしょうか。不動産屋のウェブサイトで調べてみたら、月額家賃は5千元くらいです。
これだけの広さだと、光熱水費もバカにならないでしょう。

そのうえ、ここに移転したことを知らない客を連れてきてもらうには、バイクタクシーのオヤジに数十元のリベートが必要です。
いろいろ差し引きすると、オババの手に残る金額は、以前と大して変わらないのかもしれません。

10分ほど待ったあと、僕が指名した女の子があきました。
目がクリッとした、細身の女の子です。年齢は18歳。江西省の出身とのこと。

部屋に移動します。
普通の民家用の内装と家具なので、部屋はきれいです。ベッドもダブルベッドで、十分な大きさがあります。暖房が効いて、暖かいです。
中国の家屋は、外観はぱっとしなくても、内装はきれいにしてあることが多いです。この住戸も、そういう部屋でした。

帰り際に、オババの携帯電話番号を聞いておきました。
次はタクシーの運ちゃんに頼らずに行けそうです。

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これから行ってみようという方に、アドバイスです。

地下鉄「丰庄」駅の5番出口から地上にあがると、路上で十数台のバイクタクシーが客待ちしています。むこうから置屋に誘ってくる奴は無視してください。
とくに、老三隊の入り口付近にいる四角い顔のオヤジには要注意です。最初からだますつもりで声をかけてきます。

もしも「130元」だと言われたら、そのオヤジは、あなたをダマそうとしています。たぶん、僕が最初に連れていかれた場所に連れていかれます。おそらくそこの実際の値段は50元くらいで、差額の80元はバイクタクシーのオヤジの手に入ります。
130元と言ってくる理由は、移転前の老三隊の値段が130元だったからだと思われます。

普通にまじめに客待ちしているバイクタクシーに、
「老三隊の移転先に連れて行ってくれ」
と告げてください。

かつての老三隊は、地下鉄駅から徒歩3分程度の至近距離の団地に移転しています。同じ団地内に、老三隊にあったいくつかの店が引っ越しています。そこの現在の相場は「150元~200元」です。

駅からその団地の入口まで、バイクなら30秒で着きます。それ以上長く走行していたら、あなたは騙されています。たぶん、僕が最初に連れていかれたような場末のレベルの低い置屋に連れていかれます。
すぐに降りて、ほかのバイクタクシーを探してください。

ご健闘をお祈りします。
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